嚥下機能評価研修会の開催にあたって
医療が発達する以前は「口から食べられなくなる」事は死を意味していました。この問題に対して点滴や経管栄養などの優れた医療技術が発達し、特に最近では内視鏡的胃瘻造設術(PEG)が手軽に実施されるようになり、寝たきりでPEG栄養のみで生きている状態の患者が問題になって来ていることはご承知の通りです。日本嚥下医学会は嚥下障害に対して昭和57年以来取り組んできていますが、嚥下障害は医療にとってきわめて重要なテーマであり、今や胃瘻問題への対策は急務となっております。
そこで日本嚥下医学会では日本耳鼻咽喉科学会の後援を得て、厚生労働省の示す胃瘻造設時嚥下機能評価のための研修要件を満たす嚥下機能評価研修会を企画し、以下の要領で実施することといたしました。所定の受講修了者には修了証が発行されます。
なお、本研修会は嚥下障害に関わる医師が対象であり、その他の医療職の方は参加できませんのでご注意願います。なお、各会場には定員がございますので申込みをされても受講できない場合もございますのでご了承ください。
日本嚥下医学会 理事長 梅ア俊郎
研修会概要
目的 | 嚥下機能評価及び摂食機能療法のための専門的な知識・技術を有する医師の養成 |
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主催・運営 | 主催:日本嚥下医学会 後援:日本耳鼻咽喉科学会 |
監修者 | 藤島一郎(浜松市総合リハビリテーション病院) 梅崎俊郎(国際医療福祉大学、福岡山王病院) 田山二朗(国立国際医療研究センター) 藤本保志(愛知医科大学) 兵頭政光(高知大学) |
研修対象 | 摂食・嚥下障害の診療に関わる医師 |
受講人数 | 1研修会あたり100〜150名程度 |
参加費 | 15,000円(日本嚥下医学会会員)、30,000円(非会員) |
開催地、開催日 (予定) |
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お申込みについて
お申込みについては、「研修会お申し込みフォーム」よりお申込みください。
第16回【東京都】令和5年10月22日(日)
- 定員 : 90名(うち実技定員:30名)
- 会場 : 国立国際医療研究センター病院(東京都新宿区戸山1-21-1)
- お申込み締切 : 2023年10月2日(月)
ただし参加申込者が定員に達し次第締め切りとさせていただきます。
ご了承ください。 - 参加費 : 会員15,000円、非会員30,000円
研修会プログラム
- 1嚥下機能及び嚥下障害に関わる総論
- (1)口腔・咽頭・喉頭の解剖
- (2)摂食・嚥下のメカニズム、神経調節機構
- (3)嚥下障害の代表的疾患
- 2嚥下障害の評価・診断方法
- (1)精神・身体機能の評価
- (2)口腔・咽頭・喉頭等の診察
- (3)簡易検査
- (4)嚥下内視鏡検査(総論)
- (5)嚥下造影検査(動画を含めて)
- 3嚥下内視鏡検査の実際(各論)
- (1)検査実施方法、検査時の注意点
- (2)検査所見の評価法(具体的な症例呈示を中心に)
- 4嚥下障害に対する栄養管理・気道管理
- (1)代替栄養法(胃瘻を含む)の適応と管理
- (2)気道管理の要点
- 5摂食機能療法(嚥下訓練、口腔ケアを含む)
- (1)嚥下訓練の目的と手技選択
- (2)具体的な訓練法
- (3)治療効果の評価方法
- 6外科的治療
- (1)嚥下機能改善手術の適応と術式
- (2)誤嚥防止手術の適応と術式
- (3)術後管理
- 7嚥下内視鏡検査【演習】
- ※該当者のみ